2017年12月23日
上野で、ゴッホ展を見た後、アメ横商店街を歩いてみた。
ゴッホ展入口 | ゴッホ展の案内 |
ゴッホ展説明文
“後期印象派”と呼ばれるフィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の作風は、鮮やかな色彩が
特徴で、日本の浮世絵に感化されたことでも知られている。パリ時代からアルル時代前半に
かけて、浮世絵や日本に関する文献を集めるなど、日本に高い関心を寄せていた。
今回、東京都美術館にて開催される「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」では、日本美術が与えた
影響という視点でゴッホ作品の魅力を紹介。一方で、ファン・ゴッホの死後、日本の芸術家や
知識人が、この画家に憧れ、墓のあるオーヴェール=シュル=オワーズを巡礼していている。
本展では、「ファン・ゴッホのジャポニスム」と「日本人のファン・ゴッホ巡礼」の2部構成を通して、
ファン・ゴッホの油彩画やデッサン約40点、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点に加え、
関連資料を通して、ファン・ゴッホと日本の相互関係を探り、その新たな魅力を紹介している。
ゴッホ展を観た後、「現代の写実―映像を超えて」展が開かれていたので、観て回った。
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塩谷 亮 |
様々な芸術家の発表と成長の場として大きな役割を果してきた東京都美術館は、
その歴史の継承と未来への発展のために、一定のテーマを決めて現在公募団体で活躍している
現代作家を紹介するシリーズ「上野アーティストプロジェクト」を開催する。
第1回となる本展のテーマは「現代の写実―映像を超えて」。都市の看板や大型スクリーン、
そしてテレビやスマートフォンなどを通して写真やビデオの映像情報がめまぐるしく氾濫する
現代社会のなかで、絵画でしかできない「現代の写実」を追究する画家9人を紹介する。
出品作家は稲垣考二、岩田壮平、小田野尚之、小森隼人、佐々木里加、塩谷亮、橋本大輔、蛭田美保子、元田久治。
《晩春近江》塩谷 亮 |
塩谷亮は現実的であると同時に非現実的にも見える絵画を描いている。
塩谷 亮 | 《月華》塩谷 亮 |
《碧音》塩谷 亮 | 《月華》 |
碧音は単なる藤壺ではなく、演出された本物より本物らしく見える写実画である。
《観測所》 橋本大輔 |
橋本大輔は施設や工場など建築物の廃墟を劇的に描き出す。
《映》小田野尚之 | 《発電所跡》 小田野尚之 |
小田野尚之は風景のなかに記憶、叙情、ノスタルジアを埋め込んだような濃密な絵画を制作。
理想的空間が人工的に作られている。
岩田壮平の作品前 | 《三面》稲垣考二 |
稲垣考二は女性の顔や身体などのモチーフを追究し、強いリアリティを持った巨大な絵画をつくり上げる
《光来フラガンシア》蛭田美保子 | 岩田壮平 |
蛭田美保子は食べ物をモチーフとして水彩で写実的に描いてから大きな油彩に仕上げ、岩田壮平は琳派の伝統を現代に継承する。
アメ横方向を望む | 上野駅 |
美術館を出ると、暗くなってきたが、アメヤ横町をブラブラ歩きながら、御徒町駅まで行く。
年末のこの時期、アメヤ横町は、たくさんの人でにぎわっていた。
アメヤ横町 |
上野駅から御徒町駅までのガード下に沿って軒を連ねる商店街「アメ横」正式名称は「アメ横商店街連合会」
戦後、交通・物流の拠点だった上野駅を中心に、闇市の形態を発展させ栄えたのが始まりなのだとか。
当時、飴を売るお店が多かったこと、アメリカ軍の横流し品を売っていたことなどが"アメ横"の名前の由来だといわれている。
志村商店 |
志村商店は、威勢良く啖呵をきって商品を売る「啖呵売(たんかばい)」で知られるお店。
チョコレートのたたき売りをしていた。
賑わうアメ横 | 賑わいの像 |
賑わいの像は、商売繁盛のシンボル像。
「摩利支天徳大寺(まりしてん とくだいじ)」 |
摩利支天徳大寺は、江戸時代初期に創建されたといわれ、約400年近くの歴史を持つ。
このお寺にお祀りされているのは、摩利支天(まりしてん)という神様。摩利支天尊像は
日本三大摩利支天のひとつ。聖徳太子御作と伝えられている由緒あるもの。
摩利支天は、開運厄除け、商売繁盛、家内安全、必勝・心願成就として親しまれてきた。
本堂内陣 | 日蓮上人の銅像(左) |
本堂内陣の写真は八ツ棟(権現)造、間口九間奥行十間の本堂落成時の内陣景観。
正面に大摩利支尊天、左には日蓮聖人、右には鬼子母尊神が祀られている。
妻恋地蔵 | 御徒町駅 |
御徒町駅で、JRに乗り、帰路に着く。
翌年の1月6日に、再度、上野に行き、西洋美術館で、「北斎とジャポニズム」展を観に行った。
北斎とジャポニズム | 北斎とジャポニズム |
”踊り子の画家”と呼ばれるドガの重要なモティーフ・バレリーナを描いた《踊り子たち、ピンクと緑》も
北斎作品からの影響を受けているように見える。『北斎漫画』に登場する人物の何気ないポーズは、
ドガの研究心を刺激し、作品に影響を与えたようだ。
「北斎とジャポニズム」展案内文
19世紀後半、日本の美術が、西洋で新しい表現を求める芸術家たちを魅了し、“ジャポニスム”という
現象が生まれました。なかでも最も注目されたのが、天才浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。
その影響は、モネやドガら印象派の画家をはじめとして欧米の全域にわたり、絵画、版画、彫刻、ポスター、
装飾工芸などあらゆる分野に及びました。本展は西洋近代芸術の展開を“北斎とジャポニスム”という
観点から編み直す、日本発・世界初の展覧会です。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵する
モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをふくめた西洋の名作約220点と、北斎の錦絵約40点、版本約70点の
計約110点(出品点数は予定、会期中展示替えあり)を比較しながら展示します。北斎という異文化との
出会いによって生み出された西洋美術の傑作の数々を堪能しながら、西洋の芸術家の眼を通して
北斎の新たな魅力も感じていただけることでしょう