東京国立博物館 

2017年10月21日

   
東京国立博物館  特別展「運慶」 

東京国立博物館で運慶展が開催されていたので、見に行ってきた。
運慶仏は現存数が少ないが、世界的傑作と名高い興福寺奈良市)の無著(むじゃく)・世親(せしん)
両菩薩立像(ぼさつりゅうぞう、国宝)をはじめ、写実性と迫真性にあふれた作品が展示されている。
瀧山寺(たきさんじ、愛知県岡崎市)の聖観音(しょうかんのん)菩薩立像(国重要文化財)は寺外では初公開。
運慶仏の頂点の一つである願成就院(がんじょうじゅいん、静岡県伊豆の国市)の毘沙門天(びしゃもんてん)
立像(国宝)や、浄楽寺(神奈川県横須賀市)の阿弥陀三尊像など5体(重文)は国内で42年ぶりの寺外公開となる。
特別展は写真撮影ができないので、写真はない。
見終わってから考古展が開かれていたので、入ってみた。

   
埴輪の展示台   埴輪の展示台

「平成館考古展示室」では、旧石器時代からの土偶や石器、装身具の
展示など、石器時代から江戸時代までの質の高い考古作品が展示
されている。写真撮影は可能である。

   
   

   
 石人  

石人は、北九州の一部の古墳に独特な像で、人物像の裏面は靫(ゆき)を表現。靫の形をいかした人物像

   
   

   
   


「運慶の後継者たち―康円と善派を中心に」展

   
南方天眷属立像(四天王眷属のうち)1躯
右は東方天眷属立像(四天王眷属のうち)1躯
共に康円作
獅子像(文殊菩薩騎獅像および侍者立像のうち) 
1躯 康円作 

特別展より先に始まった「運慶の後継者たち―康円と善派を中心に」展も開かれていたので見て回った。
運慶の孫にあたる康円(こうえん、1207~?)、康円と同じ頃に活躍した仏師、
善円(ぜんえん、のち善慶(ぜんけい)と改名、1197~1258)、善円に連なる善派の作品を展示。
善派は慶派の本流とは一線を画し、奈良を中心に活動していた仏師集団
運慶の作品は展示していないが、運慶の孫世代に活躍した仏師の作品をご紹介する企画。
写真撮影の可能な作品もあったので、撮ることができた。

   
善財童子と仏陀波利三蔵  大聖老人立像(左)と于闐王立像(右)共に康円作

運慶は、大勢の弟子を抱えて、工房を経営していた。そのリアリティに満ちた表現と、型にはまらず、
生き生きとした躍動感あふれる造形で、人びとを魅了。
運慶は子どもも多く、仏師になった6人と娘もいたようである。四男である康勝の息子と言われているのが康円である。

   
 菩薩立像 
(善円の作風に近い作品と解説にあり)
地蔵菩薩立像 
(善派に連なる仏師の作品と考えられる)

   
文殊菩薩坐像  康円(こうえん)作 文殊菩薩立像 (善円作と類推)