2019年10月12日
大型で強い台風19号が12日午後7時前、静岡県の伊豆半島に上陸し、記録的な大雨や
強風をもたらしながら、関東方面を進んだ。気象庁は過去最多となる一都11県に
大雨特別警報を発表した。今回の特徴は、台風の中心を取り巻く雨雲とは
別に、北側に非常に分厚く発達した雨雲が広がっていたと指摘されている。
そのため、早い時間から大量の雨が降り、多摩川も危険氾濫水位に達している。
この日は、映画館もスーパー銭湯も休みで、列車も計画運休で、午後あたりから
動かなくなっていた。朝からずっと家にいて、台風情報がテレビで流れていた。
浸水している | 冠水した田んぼ |
多摩川では、調布市の観測所で午後3時40分ごろ、氾濫の危険性が非常に高まり、
自治体が「避難勧告」などを発表する目安となる「氾濫危険水位」に達した。
我が家も多摩川に近くにあり、避難勧告が出されたので、避難をすることにした。
相方の友達夫婦が、避難してきていいよと言ってくれて、お世話になることにした。
とりあえず、ブレーカーを切ったほうが電気の漏電火災を防ぐというので、切った。
車で向かったが、我々と同じように避難する人がリュックを背負って歩いている人がいた。
お世話になった家は、市議をしている方の家で、途中、市からの招集がかかり、出かけている。
雨が収まってきた11時近くに、一旦、我が家の様子とブレーカーを入れるように戻ってきた。
バイクや車が水浸し | 内水氾濫 |
戻る途中、スーパーやコンビニも休みで、人も車もあまり
出ていないので、街は静まり返っていた。自宅の近くに来ると、
冠水しており、びっくり。近所の方たちもいて、やはり避難していて、
戻ってきた人もいた。家の駐車スペースには車が置ける状況ではない。
近くで、マンホールから噴き出た水が流されて、冠水をしたとのこと。
水道工事らしい方の姿があり、作業をしていただいていた。
内水氾濫とは、市街地に降った雨が、短時間で排水路や下水管に一挙に
流入し、雨水処理能力を超えてあふれる、あるいは川の水位が上昇して
雨水をポンプで川に流せずに、市街地の建物や土地、道路などが浸水することを言う。
今回は、どうやら多摩川に水を流すことができなくなり、水が噴き出してきたようだ。
道路も冠水 | 野川も増水 |
お世話になった家でも台風情報を観て、台風の進路を気にしながら
いろいろな話ができた。こういう時に身を寄せることができて、ありがたい。
我が家も駐車場所は冠水していたので、大変助かった。
朝の多摩川
翌朝、家に戻るときも、避難から帰る方が、たくさん歩いていた。
家の前の冠水はすっかり引いていた。
多摩川 | 増水した多摩川 |
朝、多摩川の様子を見に行く。台風一過で、天気は良く、富士山もよく見えた。
たくさんの人が歩いたり見に来ていた。知り合いにも会って、話をした。
知り合いは避難はしないで、家にいたとのこと。
深夜一時ころにも多摩川に出て、その時は、星がでていたという。
濁流が流れる。 | 撮影する人も多い |
二ヶ領上河原堰 |
夕方の多摩川
河川敷に木が流された跡 | 夕日 |
夕方になっても、多摩川には、たくさんの人が訪れていた。
濁流で、木が流されていた。堤防には溢れるぎりぎりのところまで、
水が浸かった跡がわかる。小枝や葉っぱなどが上まで上がっていた。
流木 | 夕日 |
東京新聞の朝刊記事には次のような記述もあった。
台風19号の影響で、多摩川沿いに位置する東京都調布市と狛江市で起きた
浸水被害で、多摩川に雨水などを流す二カ所の排水路の水門を開けたままに
したため、増水して水位の上がった多摩川から水が逆流し、被害が広がった
可能性があることが、水門を管理する狛江市などへの取材で分かった。 (花井勝規)
水門を閉めなかった理由を狛江市は「当時は市内の降雨量が多く、
水門を閉じると排水路があふれる恐れがあったため」(下水道課)と
説明する。被災した市民らの間では市の責任を問う声が上がっており、
住民説明会を求める署名活動も始まった。
水門は、狛江市元和泉の「六郷排水樋管(ひかん)」と同市駒井町の「猪方(いのがた)排水樋管」。
主に調布市南部を流れる排水路・根川が多摩川に注ぐ地点にある
六郷管では、十二日午後四時から、市職員と消防団員らがポンプを使い、
根川から多摩川への排水作業を開始。同六時には水門を一度閉め、
排水作業を続けた。しかし、道路への冠水が広がったため、約二十分後に水門を開けた。
午後七時半、多摩川の基準水位が六メートルを超えたため、職員らは水門は開けたまま
避難のため退去した。猪方管では水門は開けたまま、市職員らが監視。
午後七時半に退去した。両地点の職員からは退去前に、多摩川から
排水路への逆流はなかったとの報告があったという。
職員らの退去後、水位を増した多摩川から二つの排水路への
逆流が始まったとみられる。六郷管の周囲では調布市染地地区を中心に床上、
床下合わせて約百八十軒が浸水。猪方管の周辺では、狛江市の駒井町、
猪方地区で約二百四十軒の家屋が浸水した。
一方、六郷管の約一キロ上流にある
調布排水樋管を管理する調布市も当時は水門を開けたままにしていたが
測量調査の結果、「多摩川からの逆流はなかった」としている。
(途中略)
(国の京浜河川事務所の)太田敏之副所長は「水位の高い多摩川からの
逆流を防ぎ、被害を最小限に抑えるため、逆流を確認した
場合などは水門を閉めるのが基本」と説明している。