キュビスム展 

2024年1月6日


   
西洋美術館   キュビズム展

20世紀初頭にパブロ・ピカソジョルジュ・ブラックが始めたキュビスムは、
あらゆる対象を幾何学的に平面化したかたちに還元して画面を構成した。
それは西洋絵画伝統の遠近法や陰影法による三次元的な描写を脱却し、
二次元の絵画ならではの表現を目指す試みでもあった。ふたりの挑戦は
パリの若い芸術家に衝撃を与え、彫刻やデザイン、建築など
幅広い分野まで大きな影響を及ぼした。

   
  バブロピカソ 女性の胸像 

キュビズムの名称は、1908年にブラックの風景画が「キューブ(立方体)」と評されたことに由来する。

   
ジョルジュブラック 大きな裸婦  ジョルジュブラック 果物皿とトランプ 

ブドウやトランプなどの具体物が見えるブラックの《果物皿とトランプ》は、
室内の木目を絵具で再現した騙し絵風の技法も用いて画面を組み立て、
キュビスムのひとつの到達とも言える重層的な空間性を感じさせる。

   
パブロピカソ 肘掛椅子に座る女性  ファングリス ギター 

   
マリー・ローランサン
アポリネールとその友人たち(第2ヴァージョン 
ファングリス
バイオリンとグラス 

1904年にピカソと知り合ったアポリネールは、その後ピカソが住んでいた
集合アトリエ「洗濯船」に出入りするようになったという。また、1907?12年の
期間にアポリネールの恋人でもあった画家のマリー・ローランサンは、
そのアトリエで出会った仲間たちの集合肖像画を描いている。

   
ロベールドローネー パリ市  アルベール・グレーズ《収穫物の脱穀》 

2012年、独立派のサロンに出品したドローネーの《パリ市》は、
古典的な三美神を思わせる裸婦像にパリの街やエッフェル塔など
現代の要素を組み合わせた。プリズムのようにきらめく色彩や都市の断片に、
抽象画を先駆けるドローネーの志向を見て取ることもできるだろう。
ドローネーは、キュビスムの新たな展開として「同時主義」「オルフィスム」と
呼ばれる色彩を重視した抽象絵画を追求し、その時期の作品も会場に展示されている。

   
フェルナン・レジェ《縫い物をする女性》  フランティシェク・クプカ《挨拶》 

連続写真や映画、X線写真といった当時の科学が生み出した新しい視覚
イメージへの関心を共有しながら、特に「絵画における運動の表現」を追求していたクプカ。
《挨拶》では、2人の人物のお辞儀をするような動きの軌跡が、鮮やかな色彩
によって連続的に捉えられるとともに、クプカの具象から抽象への移行が示されている。

   
ロベール・ドローネー《都市 no.2》  ソニア・ドローネー《バル・ビュリエ》 

   
   

   
アメデオ・モディリアーニ
女性の頭部 
マルクシャガール
ロシアとロバとその他のものに 

   
 レイモン・デュシャン=ヴィヨン《恋人たちIII》  マルク・シャガール《婚礼》

シャガールがキュビスム周辺の詩人や美術家たちと交流を始めた頃の作品《婚礼》
三角形や帯状の面からなる幾何学的な空間構成はキュビスムの影響をうかがわせ、
鮮やかな色彩にはドローネーの表現を垣間見ることができる。

   
アメデオ・モディリアーニ
女性の頭部 
 

   
 レオポルド・シュルヴァージュ《エッティンゲン男爵夫人》  

レオポルド・シュルヴァージュは《エッティンゲン男爵夫人》で、ウクライナと
ポーランドに出自を持つ男爵夫人エレーヌ・エッティンゲンの肖像画を
描いており、彼女が鎮座する室内とエッフェル塔などの都市風景を融合させている。

   
 パブロピカソ 輪を持つ少女 フェルナン・レジェ《タグボートの甲板》 

   
   

   
   

   
鳥罠のある冬景色
ピーテル・ブリューゲル 
パリスの審判が表された山岳風景 

   
   

   
マネ 嵐の海   

   
 エドガー・ドガ 舞台袖の3人の踊り子  

   
クロードモネ 睡蓮   

   
   

   
   

   
   

   
パブロピカソ 小さな丸帽子をもった女  パブロピカソ  横たわる女



オーギュスト・ロダン 地獄の門