2014年3月7日~9日
調布映画祭は、撮影所や制作会社が集まる「映画のまち調布」ならではの映画祭であるといわれている。
「映画のまち調布」の由来は、調布には時代劇・現代劇どちらの撮影にもふさわしい環境やフィルムの現像に欠かせない
良質な地下水があったからとされている。昭和8年に、日本映画株式会社が現在の京王多摩川駅前に
多摩川撮影所を開設して以来、数多くの映画産業が集まり、昭和30年代に東洋のハリウッドと称されるほど
「映画のまち」として発展を遂げてきたとのことである。調布映画祭は今回で25回目である。
市民による実行委員会が企画・運営し、鑑賞する機会の少なくなった内外の名画や話題作の上映を無料で実施。
今年の上映ラインナップは、市内映画関連会社が制作に携わった作品を含めて、新旧の名作25作品が上映された。
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調布映画祭 | 清州城の模型 |
映画祭の主な会場は、文化会館たづくりとグリーンホールである。
たづくり1階エントランスステージで,三谷幸喜監督作「清須会議」(昨年11月公開)の撮影で使用した,
高さ約2メートルの清須城の模型を展示してあった。
今回、たまたま3連休がとれて、映画三昧な休日となった。観た映画は以下の10作品である。
『ひまわり』(1970/ヴィットリオ・デ・シーカ)
『ロミオとジュリエット』(1968/フランコ・ゼフィレッリ)
『パーマネント野ばら』(2010/吉田大八)
『バビロンの陽光』(2010/モハメド・アルダラジー)
『鍵泥棒のメソッド』(2012/内田けんじ)
『ある愛の風景』(2004/スサンネ・ビア)
『最強のふたり』(2011/エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ)
『愛、アムール』(2012/ミヒャエル・ハネケ)
『桐島、部活やめるってよ』(2012/吉田大八)
『のぼうの城』 (2011/犬童一心、樋口真嗣)
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ある愛の風景 | バビロンの陽光 |
「ある愛の風景」は、デンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得し、ハリウッドでのリメイク企画も
進行しているデンマーク映画。生存が絶望的になった夫の戦死を告げられた家族と、別人のようになって奇跡の
生還を果たした夫のドラマが展開する。戦争のもたらすむごさを描いている。監督は女性監督スザンネ・ビア
「バビロンの陽光」は、イラクを舞台に、戦地に出向いたまま12年も戻らない父を捜すクルド人の少年と祖母の旅を描く。
イラクでは過去40年間で150万人以上が行方不明となり、300の集団墓地から何十万もの身元不明遺体が
発見されているという。息子を捜す母の物語であり、父を捜す息子の物語ともいえる。
今回の映画祭は、私自身過去に観た映画も多く、もう一度見てみたいと思ってみた映画もいくつかある。
「ロミオとジュリエット」は中学時代に同級生何人かと一緒に観た映画である。記憶に残る最も初期に見て、
映画の素晴らしさを感じたのを覚えている。「ひまわり」は、大学時代に彼女と見た印象に残った映画である。
介護・老境と愛の問題を取り上げている「愛、アムール」は、今回再度見て、重いテーマを扱っている。
「最強のふたり」も再度見たかったし、「のぼうの城」は、最近、城郭めぐりが多くて、もう一度見たくなった映画である。
「パーマネント野ばら」や「鍵泥棒のメソッド」「桐嶋、部活をやめるってよ」などは初めて見るが、脚本がさえていた。
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ガメラ | 貞子の展示 |
映画祭なので、催し物や展示もいろいろとあった。
調布にゆかりある映画会社の小道具や書籍、ポスターなどを展示する「日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展&
映画の図書展」も開かれていた。往年のスターたちのポスターもあった。
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のぼうの城の甲冑 | 日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展 |
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日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展 | 日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展 |
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撮影で使用したピストルなどの小物 | 日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展 |
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日活・角川大映スタジオ・高津装飾美術展 | 映画看板 |
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映画看板 | 映画看板 |
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映画看板 | 柴崎さきちゃん、ゆりーと君と記念写真を撮る。 |
調布駅前広場にて「映画のまち調布パーク」を開催
柴崎さきちゃんや国体のマスコットとして活躍したゆりーと君もいた。
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駅前広場のガメラ | 撮影用特殊機材 |
特殊機材を使って、実際に映るかを実演させてもらっていた。
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特殊機材で模擬撮影 | 大魔神と貞子 |
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桐島、部活やめるってよ | 映画は世界を巡る |
ちなみに今回、上映された映画は、「角川映画・日活特集」として「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」
「あしたの私のつくり方」、「大映特集」では「怪談雪女郎」「成熟」、「特集 映画は音楽とともに」では
「ひまわり」「ロミオとジュリエット」、「特集 映画は世界を巡る」ではイラクの「バビロンの陽光」、
デンマークの「ある愛の風景」、フランスの「最強のふたり」など。そのほか、「パーマネント野ばら」
「桐島、部活やめるってよ」「のぼうの城」「映画 怪物くん」「天地明察」「レ・ミゼラブル」などである。