市川銕琅・悦也 父子展 

2019年12月21日


「市川銕琅・悦也 父子展」が、調布市文化会館たづくり
(調布市小島町2)1階展示室で開催されていたので入ってみた。

   
   

木彫工芸作家として活躍した市川銕琅(てつろう)さんと、その長男で
彫刻家の市川悦也さんの作品を展示。両氏の父子展の開催は42年ぶりで
銕琅さんの没後初となり、共に彫刻の道を歩んだ作風の異なる父子の作品を楽しめる。

   
  指月布袋和尚像 

銕琅さんは、1901(明治34)年調布市国領に生まれ、木彫や仏画の
名工・加納銕哉(かのうてっさい)さんに14歳で師事。若くして奈良に
拠点を移し、金工・木工品、竹などの器物の表面に線刻する
「銕筆(てっぴつ)」とよばれる技法の修業を積んだ。やがて、
奈良一刀彫などの伝統工芸を受け入れながら、茶道具や
写実的な表現の丸彫りの木彫床飾りを中心に制作を展開した。

   
能演目「高砂」  淡彩色聖観世音菩薩尊像 

悦也さんは、高校卒業後、彫刻家・平櫛田中(ひらくしでんちゅう)の
書生を経て東京芸術大学美術学部彫刻科に進学。特に
木彫による表現にこだわり、神戸を拠点に手掛けてきた。

   
 四天王像 市川悦也作「天と地の間に」 

父銕琅からの直接の指導は一切なかったという悦也にとって、父の作品は
完成度や美意識の基準になるもので、表現の違いを超えて厳然と存在する美学だという。

   
  鬼太郎 妖怪画展 

たづくりでは別の企画、鬼太郎の妖怪画展が開催されていた。