江戸東京博物館 

2019年10月3日

東京都江戸東京博物館で開かれている特別展「士 サムライ−天下太平を支えた人びと」を
見に行ってきた。江戸の街には、旗本御家人や大名屋敷詰めの諸国の藩士ら、
多くのサムライが暮らしていた。どういう生活を送り、どんな姿形をしていたかを示す。
撮影禁止の資料がほとんどで、写真撮影を許可されたのをいくつか撮影した。
戦国の騒乱が幕を閉じ、江戸時代のサムライは武功を求める武人から、行政を
担う役人へと変貌する。騎馬隊、足軽隊などの単位で編成されていた軍団も
官僚組織へと変容する。

   
   

「火事と喧嘩は江戸の華」といわれたように、江戸庶民の最大の脅威は火事である。
多くの川が流れる江戸は洪水も頻発した。被害防ぐために奮闘したのはサムライである。

   
   

幕末期に製造された青銅製24ポンドカノン砲で、明治から昭和初期にかけては皇居内の
江戸城本丸跡に設置され、午後0時に空砲を発射して東京に正午を知らせた「午砲」の実物

   
和装西洋男女図 絹本彩色 19世紀末(明治前期)  

和装西洋男女図は、海外土産として量産されたもの。顔は写真を活用して
リアルに仕上げ、その他は浮世絵の美人画にありそうな設定で描かれた肉筆画である。
浮世絵と西洋画、写真を合わせたような、不思議な魅力がある

撮影禁止の「久留米藩士江戸勤番長屋絵巻」は、大名屋敷内の長屋に住む
江戸後期の武士たちの暮らしぶりを活写したユーモラスな絵巻。夏の日暮れに
長屋前でうちわをあおいで夕涼みする姿や、燗酒(かんざけ)での酒宴、また突如
幕命によって帰国が延期となったため、やけ酒をあおって暴れる図など、物価が高い
江戸で質素に暮らす地方武士たちの日常を温かく描く展示もあった。

   
  「日本橋」の復元模型 

常設展示室は五階と六階の二階構造になっている。全9,000平米の広大な展示面積の中に
「江戸ゾーン」「東京ゾーン」と大きく二つにエリアが分けられ、「江戸」「東京」それぞれの時代を
生きた人々の暮らしや文化、歴史にまつわる展示物が溢れている。

   
 ジオラマ模型  

ジオラマ模型は、江戸の町割りに基づいた街並みや人々が事細かに作られている。

   
  歌舞伎の舞台 

   
 市川團十郎  

   
 菊人形  

   
 空襲で折れ曲がった鉄骨 空襲で折れ曲がった鉄骨 


尾張徳川家の「陣備(じんそなえ)図」は、同家の軍団編制を構成員の
一人一人の姿が分かる彩色画で書き込んだ計89帖(特別展では一部を展示)の
巨大な図で、戦闘集団という大名家の本来の姿を具体的に示す資料