下高井戸シネマ 

2021年12月12日

   
 「ココシャネル」「ブータン山の学校」 「少年の君」とメイズルス監督の映画 

下高井戸シネマで、一日に5本の映画を見て、最後はトークイベントも聞いた。
映画は「ココシャネル」「ブータン山の学校」「少年の君」とメイズルス監督の
「グレイガーデンズ」と「セールスマン」である。

手持ちカメラ、同時録音、ナレーションなしで描く「ダイレクト・シネマ」という
ドキュメンタリーの手法の先駆者メイズルス兄弟を特集。代表作でありながら
日本未公開だった『セールスマン』(1969年)を初公開するほか、J・F・ケネディの親族にあたる
ビッグ・イディとその娘リトル・イディの生活に密着した『グレイ・ガーデンズ』(1975年)も上映。

 『セールスマン』(日本初上映)  『グレイ・ガーデンズ』
 低所得者向けに高額な聖書を訪問販売するセールスマンという無名の人々と資本主義社会の悲哀を映し出すメイズルス兄弟の代表作かつドキュメンタリー映画の傑作。「我々だけでカメラを回し、映画のために演出をしたり、指示することなど一つもせず、“その場で起こったありのままを写した”」と監督たちは語っており、“ダイレクト・シネマ”と呼ばれるムーブメントの代表作とされ、映画史に名を刻む重要作。 ジョン・F・ケネディの親族にあたるビッグ・イディと、その娘リトル・イディの生活に密着したドキュメンタリー。マーク・ジェイコブスやアイザック・ミズラヒなどの名だたるファッションデザイナーや、Rookieブログや『Rookie Yearbook』などで知られるタヴィ・ゲヴィンソンがお気に入りの一本として挙げている、多くの熱狂的な支持を集めるカルト的人気誇る。日本では2018年以来の劇場公開となる。 

   
  藤井仁子(ふじい じんし)さん 

メイズルズ兄弟の最初の代表作である『セールスマン』Salesman(63)は、
豪華装丁の聖書やカトリック事典を訪問販売するセールスマンのドキュメンタリー。
「セールスマン」終了後、藤井仁子さんが作品の説明をしてくれた。


藤井仁子トークから調べた覚書

メイズルス兄弟。デイビッドがシナリオ、アルバートが撮影。69年ダイレクトシネマの代表作。
ゴダールが一番優れたカメラマンだと言った。オペレーションが傑出している。
観たいと思ったときにちゃんと寄ってくれる。ポーリンケールはヤラセだと
言うくらいの構成。監督は編集をしていない。第三者に編集をまかせて
どっかいってしまう。編集が監督であると決まっていたがメイズルスは監督と言えるのか?
という問題がある、曖昧な立ち位置に甘んじている。清順の編集をやっていた
すずきあきらさんは撮ってきた素材を見れば意図は明白だったので出来たと
証言している、メイズルスのフッテージも同じようにしていたと推測できる。
道路標識をわざわざ撮っていたからこう繋げと最初から支持していたようなもの。
構成は考えながら写真を撮っている。アメリカはプロテスタントの国。
カトリックのアメリカ大統領は主流派ではなく、今まででJFKとバイデンのみである。
福音派とは保守的なプロテスタントのことを指し、公民権運動の時代には、
黒人らマイノリティの人々の声が大きくなることを面白く思わない人が
一定数存在していた。こうした人々は次第に白人ではない人々や移民に
よって国が脅かされ、キリスト教の原則がないがしろにされていると
考えるようになる。こうして福音派は、聖書中心主義と結びついていった
映画の中で、カトリック信者に対して超豪華聖書を売るが、聖書を読むのが
プロテスタントなのにそれを売るっていう無理強いが凄い。
アイルランド系やイタリア系など渡ってきたマイノリティがいかに残っていくかという
時代の出来事。主人公はアイリッシュ。JFK暗殺後細々と暮らす
プアホワイトが鮮明に写されている。20年代に実はアメリカにおけるキリスト教は
ビジネスや広告として展開されている。ベンハーとか十戒は盛んにあった。
キリストは最初のビジネスマン。アイルランド系は警察官とか消防官とか人から
嫌な思いにされる仕事で父親も警察官。MITに行った兄への想いも抜かりなく拾われている。


2021年12月19日

   
相米慎二の映画   相米慎二

特集上映「没後20年 作家主義 相米慎二」が開催されていた。
相米慎二監督の「台風クラブ」を観た。
大西結花が初めて出演した作品である。
中学生のもやもやした思春期の感情を映像で表現している映画

   
 台風クラブ トークショー 

映画終了後に、金原由佳さんの司会で、女優大西由香のトークイベントが開かれた。

   
 金原由佳さん 大西由香