2020年2月24日
午後から、奈良学文化講座があるというので、午前中、上野の東京国立博物館に行く。
上野駅構内 | 国立科学博物館 |
新型コロナウィルスの影響か、上野駅は閑散としていた。
世界最大級の「シロナガスクジラ」 | 「出雲と大和」展 |
東京国立博物館で、「出雲と大和」展が開催されていた。ここは、人で賑わっていた。
開催概要
令和2年(2020)は、我が国最古の正史日本書紀が編纂された養老4年(720)から1300年という
記念すべき年です。その冒頭に記された国譲り神話によると、出雲大社に鎮座する
オオクニヌシは「幽」、すなわち人間の能力を超えた世界、いわば神々や
祭祀の世界を司るとされています。一方で、天皇は大和の地において「顕」、
すなわち目に見える現実世界、政治の世界を司るとされています。つまり、古代において
出雲と大和はそれぞれ「幽」と「顕」を象徴する場所として、重要な役割を担っていたのです。
幽」と「顕」を象徴する地、島根県と奈良県が東京国立博物館と共同で展覧会を開催し、
出雲と大和の名品を一堂に集めて、古代日本の成立やその特質に迫ります。
銅鐸 | 《模型 加茂岩倉遺跡銅鐸埋納状況復元》(2019 |
銅鐸は、弥生(やよい)時代に作られた、釣鐘形の青銅器。祭りに用いたといわれる。
弥生時代の出雲は、稲作の伝播とともに日本海を通じた大陸との交流もあり、
独自の文化が生まれていた。島根県立古代出雲歴史博物館の
《模型 加茂岩倉遺跡銅鐸埋納状況復元》(2019)は、
加茂岩倉遺跡で発見された銅鐸が、祭祀のために地中に埋納されるときの
状態を復元したもの。銅鐸の色も当時のものを可能な限り再現している。
2020年で編纂から1300年となる『日本書紀』。その冒頭には出雲大社の
オオクニヌシが神々や祭祀を司り、大和の天皇は現実の政治の
世界を司ることが記されている。東京国立博物館の「出雲と大和」は、
日本の成立の礎となった出雲と大和のふたつの地の名宝を一堂に
集結させ、互いの交流をひも解きながら古代日本の姿に迫る展覧会である。
国宝の《七支刀》(4世紀)は百済と大和の王権との関係を象徴するような存在。
奈良の石上神宮に伝わる刃先が7つにわかれた宝剣で、古墳時代より伝世されてきた。
金象嵌による銘文から、4世紀に朝鮮半島の百済の王から倭の王に
送られたものと考えられている。『日本書記』にもこの《七支刀》のことが
記されており、今回は実物を見られる貴重な機会となっている。
上野 | 東京タワー |
奈良学文化講座がメルパルクホールで開催されていたので、参加した。
テーマは、『日本書紀』と『古事記』 8世紀の日本国家のたくらみ
720年に編まれた『日本書紀』は、正史として長く官人たちに読まれ続けた。
一方、その8年前に編まれたという『古事記』は、江戸時代までは知る人ぞ知る存在。
歴史のデータベースのような『日本書紀』に対し、滅びゆくものへまなざしを注ぐ、
物語性に富んだ『古事記』伝えたいもの、秘しておきたいもの──
二つの史書には異なる思惑があったようです。
『日本書紀』編纂1300年を機に、歴史書を編むこと、語り伝えることの
意味を考えます。と銘打って、二人の講師の話が聞けた。
斎藤英喜先生には『古事記』『日本書紀』の成立の背景と、この二書を
日本人がどのように受け入れてきたのか。三浦佑之先生には、『日本書紀』にはない
出雲神話や反乱の描き方に見る『古事記』の語りの特異性について、話していただく。
古事記は「読んでいると日本海文化のネットワークが浮かび上がってきます」と話す。
出雲神話とは、姉アマテラスに逆らって追放されたスサノヲ。スサノヲの娘
スセリビメと結ばれて地上の主として君臨したオホナムヂ(オホクニヌシ)。
ヤマタノオロチやイナバの白兎の話が含まれ、オオクニヌシが地上世界の
国造りを果たす様子が描かれる。。
出雲大社創建は、ヤマトではなく、出雲側が行ったというのが三浦説。
ただ、出雲など独自の文化を持った各地域も、やがてヤマトに制圧される。
敗者の歴史を語ったのが古事記である。出雲が敗者の象徴として神話に描かれている。
「三解脱門(三門)」 | 大殿本堂 |
講演会が終わってから、増上寺周辺を歩いた。
増上寺入り口にある大きな「三解脱門(三門)」は、穢土と極楽浄土をつなぐ入口の
役割を果たしているとのこと。三解脱門は、「むさぼり、いかり、おろかさ」の三つの
煩悩を解脱する門のこと。大殿本堂は、300年以上にもわたる「南無阿弥陀仏」の
根本道場で、太平洋戦争の空襲に遭い焼失。昭和49年に再建された。
御本尊 阿弥陀如来像 |
本堂の中に安置されているご本尊「阿弥陀如来」は、室町時代に作られたもの。
本尊両脇の壇には、高祖善導大師と宗祖法然上の像が安置されている。
芝神名商店街 |
芝大神宮を中心に参道の両側に栄えた商店街である。
神明(しんめい)は、天照大神、豊受大神の別称。
新橋のSL | 生ガキ |
新橋で生ガキを食す。